計算の基本:足し算・引き算・掛け算・割り算#

はじめに#

今回は、Pythonを使った基本的な計算方法について、より詳しく学んでいきましょう。

プログラミングでは、様々な計算を行うことが必要になります。単純な足し算から複雑な数学的処理まで、Pythonは強力な計算機能を提供しています。この記事では、四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)を中心に、Pythonでの計算の基本を解説します。

基本的な四則演算#

以前の記事でも触れましたが、四則演算のおさらいをしましょう。Pythonでは、以下の演算子を使って基本的な計算ができましたね。

  • +: 足し算
  • -: 引き算
  • *: 掛け算
  • /: 割り算
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# 基本的な四則演算
print("足し算: 5 + 3 =", 5 + 3)
print("引き算: 10 - 7 =", 10 - 7)
print("掛け算: 4 * 6 =", 4 * 6)
print("割り算: 15 / 5 =", 15 / 5)

実行結果:

足し算: 5 + 3 = 8
引き算: 10 - 7 = 3
掛け算: 4 * 6 = 24
割り算: 15 / 5 = 3.0

割り算の結果は浮動小数点数(小数点を含む数値)として表示されています。Pythonでは、割り算の結果は常に浮動小数点数となります。

変数を使った計算#

実際のプログラミングでは、直接数値を使うよりも、変数を使って計算することが多いです。以下のように変数を使った計算も行うことができます。

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# 変数を使った計算
a = 10
b = 3

# 四則演算
addition = a + b
subtraction = a - b
multiplication = a * b
division = a / b

# 結果の表示
print(f"{a} + {b} = {addition}")
print(f"{a} - {b} = {subtraction}")
print(f"{a} * {b} = {multiplication}")
print(f"{a} / {b} = {division}")

実行結果:

10 + 3 = 13
10 - 3 = 7
10 * 3 = 30
10 / 3 = 3.3333333333333335

変数を使うことで、同じ値を何度も使用する場合や、計算の途中経過を保存する場合に便利です。

複合代入演算子#

Pythonには、計算と代入を同時に行う「複合代入演算子」というものがあります。以下の例で見てみましょう。

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# 複合代入演算子
a = 10
print(f"aの初期値: {a}")

# 加算代入(a = a + 5 と同じ)
a += 5
print(f"a += 5 の結果: {a}")

# 減算代入(a = a - 3 と同じ)
a -= 3
print(f"a -= 3 の結果: {a}")

# 乗算代入(a = a * 2 と同じ)
a *= 2
print(f"a *= 2 の結果: {a}")

# 除算代入(a = a / 4 と同じ)
a /= 4
print(f"a /= 4 の結果: {a}")

# その他の複合代入演算子
b = 20
print(f"bの初期値: {b}")

b //= 3  # 切り捨て除算代入
print(f"b //= 3 の結果: {b}")

c = 10
print(f"cの初期値: {c}")

c %= 3  # 剰余代入
print(f"c %= 3 の結果: {c}")

d = 2
print(f"dの初期値: {d}")

d **= 3  # べき乗代入
print(f"d **= 3 の結果: {d}")

実行結果:

aの初期値: 10
a += 5 の結果: 15
a -= 3 の結果: 12
a *= 2 の結果: 24
a /= 4 の結果: 6.0
bの初期値: 20
b //= 3 の結果: 6
cの初期値: 10
c %= 3 の結果: 1
dの初期値: 2
d **= 3 の結果: 8

複合代入演算子を使うと、コードがより簡潔になります。

演算の優先順位#

数学と同様に、Pythonでも演算子には優先順位があります。括弧()を使って、優先順位を明示的に指定することができます。

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# 演算の優先順位
result1 = 2 + 3 * 4  # 掛け算が先に行われる
print(f"2 + 3 * 4 = {result1}")

result2 = (2 + 3) * 4  # 括弧内の計算が先に行われる
print(f"(2 + 3) * 4 = {result2}")

実行結果:

2 + 3 * 4 = 14
(2 + 3) * 4 = 20

基本的な優先順位は以下の通りです(上から順に優先度が高いです)。

  1. 括弧 ()
  2. べき乗 **
  3. 乗算 *、除算 /、切り捨て除算 //、剰余 %
  4. 加算 +、減算 -

複雑な計算を行う場合は、明示的に括弧を使って優先順位を指定することをお勧めします。これにより、コードの可読性も高まります。

数値の増加と減少#

プログラミングでは、変数の値を1増やしたり、1減らしたりする操作がよく行われます。これらは「インクリメント」と「デクリメント」と呼ばれます。

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# インクリメント(値を1増やす)
count = 5
count += 1  # countを1増やす
print(f"count += 1 の結果: {count}")

# デクリメント(値を1減らす)
count -= 1  # countを1減らす
print(f"count -= 1 の結果: {count}")

実行結果:

count += 1 の結果: 6
count -= 1 の結果: 5

大きな数値の表現#

Pythonでは、大きな数値も扱いやすく表現できます。例えば、桁区切りとして_(アンダースコア)を使用したり、指数表記を使ったりできます。

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# 大きな数値の表現
# 桁区切りにアンダースコアを使用(可読性が上がる)
large_number = 1_000_000
print(f"1_000_000 = {large_number}")

# 指数表記(1e6は1×10^6を意味する)
scientific_notation = 1e6
print(f"1e6 = {scientific_notation}")

実行結果:

1_000_000 = 1000000
1e6 = 1000000.0

アンダースコアを使った表記は、数値の可読性を高めるためのもので、実際の値には影響しません。指数表記は、非常に大きな数や小さな数を扱うときに便利です。

実践例:消費税計算プログラム#

これまで学んだ計算の知識を使って、簡単な消費税計算プログラムを作成してみましょう。

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# 消費税計算プログラム

# 商品情報
item_name = "ノートパソコン"
price = 85000  # 税抜き価格(円)
tax_rate = 0.10  # 消費税率(10%)

# 消費税額の計算
tax_amount = price * tax_rate
# 税込価格の計算
total_price = price + tax_amount

# 結果の表示
print(f"商品名: {item_name}")
print(f"税抜価格: {price}円")
print(f"消費税率: {tax_rate * 100}%")
print(f"消費税額: {tax_amount}円")
print(f"税込価格: {total_price}円")

実行結果:

商品名: ノートパソコン
税抜価格: 85000円
消費税率: 10.0%
消費税額: 8500.0円
税込価格: 93500.0円

このプログラムでは、商品の税抜き価格から消費税額と税込価格を計算して表示しています。変数を使って計算を行い、結果をわかりやすく表示することができました。

まとめ#

この記事では、Pythonにおける計算の基本について学びました。

  • 四則演算(+, -, *, /)のおさらい
  • 変数を使った計算
  • 複合代入演算子(+=, -=, *=など)
  • 演算の優先順位とカッコの使い方
  • 大きな数値の表現方法

計算はプログラミングの基礎です。これからより複雑なプログラムを作る際にも、今回学んだ基本的な計算の知識が役立つでしょう。